ABOUT

初めまして、オーロラのへびステンドグラス制作室です。

へび...と言うと大抵は怪訝な顔をされるのですが、オーストラリアの先住民アボリジニに伝わる「虹の蛇」と言う神話に由来します。「虹の蛇」は、ずっと心に残っていた言葉です。

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科を卒業して、主にWEBデザインの仕事をしながらそれに付随する紙もの、イラスト、パッケージ、果てはモビールまで...様々なデザインに携わってきました。

そんな中、自分の知っているステンドグラスのイメージとかけ離れたランプに出会い、いつまでも心に留まり続けました。ステンドグラスって、こんなジャンルもあるの?という驚きと新鮮さを感じました。

​家の中で過ごすことが好きな私は、部屋の中を自分の好きなように少しでも居心地の良い時間が過ごせるようにという想いがあったせいか、とりわけランプに魅かれました。

想いが募り数年後、友人と五島列島の旅へ。今思えば、特殊な部類のステンドグラスを最初に見てしまったように思います。島のほとんどの小さな教会では、ガラスの代わりに色の付いたプラスティック板を使っていて、色遣いもサイケデリック。それもそのはずで、プロのステンドグラス職人が作っているのではなく、信者の手によるもの。そのどれもが手づくりの歪な温かさが溢れる窓でした。中にはとても立派なプロの手によるステンドグラスのある教会もあるのですが、どうしても心惹かれるのは小さな教会。

きっちり整ったものよりも少し歪な可愛らしさを求めてしまうのはここにあるのかもしれません。

五島列島の島を転々としつつ、最後に辿り着いたのが蝶の羽のステンドグラス。ガラスでもステンドグラス風でも無いのですが、高価なガラスを買うことの出来ない教会が蝶の羽を拾い集めて作ったというもの。その羽の数が尋常では無いのです...つくる行為そのものが祈りのような尊さに触れた時間でした。

30代半ばからステンドグラスの教室に通いはじめ、都内の工房を転々とし、馬橋にあるアトリエ・グラディスに腰を落ち着かせました。本当に良い先生たちに恵まれました。温かく見守るように持っている技術や知識を惜しみなく与えていただき、心から尊敬と感謝をしています。

39歳で踏ん切りをつけるために、フランスはモンタルジーにあるアトリエマツダへ3ヶ月ステンドグラスの勉強をしに行きました。そこでは毎日、ステンドグラスの作業が出来る喜びと至る所にある教会で本場のステンドグラスに触れる贅沢な時間を過ごしました。ありとあらゆるものが見たい欲が高まり、モンタルジーからパリへ毎週末通いつめ足が棒になるまで歩き続けました。度々、小旅行にも出かけました。中でもメッスにあるジャン・コクトーがデザインしたステンドグラスがあるサン・マキシマン教会がとても好きで、ここで大きな願いを掛けたので叶ったら再び訪れることを約束しました。

あのランプに出会って10年近くかかってしまいましたが、ようやくここから始めます。

​忙しい暮らしの中、すこしでも心を和らげ、豊かにしてくれるようなものを届けたいと思っています。

​オーロラのへびステンドグラス制作室

大倉 佐智子